恋愛と科学――一見相容れないように思える二つの要素を融合させたのが、漫画『あくまでクジャクの話です』です。
「男らしさ」や「モテ」を生物学的に語るという大胆な切り口に、思わず笑い、時にドキリとさせられる新感覚のラブコメディ。
教室で、SNSで、恋の現場で…人間という生き物の本音を可視化するような展開は、一度読み始めたら止まらなくなります。
この記事は下記のような方にオススメです。
- 『あくまでクジャクの話です』がどんなお話か知りたい方。
- 『あくまでクジャクの話です』の購入を検討している方。
- 『あくまでクジャクの話です』が好きで次に読む作品を探してる方。
『あくまでクジャクの話です』とは?

『あくまでクジャクの話です』は、講談社より2024年4月10日に第1巻が刊行された学園ラブコメ漫画です。
本作は2023年11月30日から「コミックDAYS」で連載が始まり、生物学の知識で恋愛を語るという独創的な切り口と、完璧すぎるのに恋には不器用なヒロイン・阿加埜ちゃんの魅力で一躍注目を集め、単行本化されました。
特に、生徒の恋愛相談を生物学的視点で一刀両断する場面は、理論派の冷静さと人間味ある優しさが同居し、作品の独自性を際立たせています。
どこから読み始めても、この生物学論とヒロインのギャップに心を奪われること間違いなしの作品です。
あらすじ・概要
<作品情報>
引用元:あくまでクジャクの話です。-小出もと貴|#1/性淘汰|コミックDAYS
”男らしさがない”という理由で、彼女に浮気されフラれた教師・久慈弥九朗。
世の中ジェンダーフリーのはずでは…!? と苦悶する彼の前に、モデルでインフルエンサーで成績優秀で“生物学部”部長の女子・阿加埜が現れ、生物学部の顧問になってくれと迫る。
そして、なぜ結局「男らしさ」がモテるために必要なのか、クジャクの派手な羽を例に“生物学的”な説明を始める…! 身も蓋もない残酷な真実を突き付けまくる、生物学コメディ!
上記の通り、本作は「生物学×恋愛」という斬新な切り口で展開する学園ラブコメです。
主人公・久慈は、恋愛の場での男らしさや女らしさといった価値観に疑問を抱く一方、阿加埜は進化や繁殖戦略といった生物学の理論を武器に、恋愛の仕組みをズバリと言語化していきます。
動物界の求愛行動や遺伝子の淘汰など、一見恋愛と関係なさそうな知識が、意外なほど人間関係や恋の駆け引きに直結する場面は目からウロコ。
しかし、阿加埜自身も久慈に秘めた想いを抱いており、理論派で完璧な彼女が、自分の恋愛となると途端に不器用になるギャップも本作の大きな魅力です。
生物学的事実と恋愛感情の交差が織りなす、笑えてちょっと切ない物語が、テンポよく展開されていきます。
『あくまでクジャクの話です』は完結している?
結論から申し上げると、『あくまでクジャクの話です』はまだ連載中で未完結の作品です。
本作は講談社の青年漫画レーベル「モーニングKC」から刊行され、第1巻は2024年4月10日に発売。最新巻となる第5巻は2025年8月12日にリリースされました。
現在も「コミックDAYS」にて隔週連載が続いており、最新話も順次公開中です。
巻数 | 発売日 | 次巻発売までの期間 |
---|---|---|
1巻 | 2024年4月10日 | – |
2巻 | 2024年7月10日 | 約3ヶ月 |
3巻 | 2024年11月13日 | 約4ヶ月 |
4巻 | 2025年4月9日 | 約5ヶ月 |
5巻 | 2025年8月12日 | 約4ヶ月 |
2025年8月時点で既に5巻まで刊行されていますが、物語はまだまだ序盤戦といった印象。
阿加埜ちゃんの生物学的恋愛理論も回を追うごとに進化を遂げ、彼女と久慈先生の関係もじわじわと動き始めています。
そして何より――この作品は、「次は何を見せてくれるのか」という期待感が常に更新され続けるのが魅力です。
毎巻、恋愛の新たな切り口や意外な生物学ネタが投入され、読者を飽きさせません。
正直、この勢いとネタの豊富さを見ていると、「まだまだ完結しないだろうな」という予感が強く、むしろその続いてくれる安心感がファンの楽しみになっています。
未完だからこそ、今から追いかければ最新話をリアルタイムで楽しめる絶好のタイミング。
阿加埜ちゃんの毒舌と可愛らしさを、これからも長く味わえること請け合いです。
魅力・見所
①阿加埜ちゃんのキャラクター性が魅力的すぎる
引用元:あくまでクジャクの話です。 コミック1巻より Screenshot
この作品の最大の魅力は、何といってもヒロインである阿加埜ちゃんの圧倒的な可愛らしさです。
彼女は、運動神経抜群で学業もトップクラス、さらにはインフルエンサーとして多くのフォロワーを持つ超ハイスペックな女子高生。まるで欠点が見当たらないほど完璧な存在ですが、決して鼻にかけることなく、どこか品のある佇まいを見せるのが彼女の魅力の一つです。
しかし、そんな阿加埜ちゃんの真骨頂は、彼女が生物学の知識を駆使して、恋愛に悩む生徒たちを諭していく姿にあります。生物学という学問を恋愛のフィルターを通して解釈し、極めて理論的に語るその姿は、まるで学者のようです。
それでいて、生徒たちの心にスッと入り込む説得力があり、時に厳しく、時に優しく恋愛の本質を突きつけていきます。
恋愛の本質を語る彼女の姿は知的でクールですが、自分の恋愛となると話は別です。
実は教師の久慈弥九郎に密かに想いを寄せており、理論派の彼女も恋の前では普通の女の子になってしまうのです。
普段は堂々としているのに、肝心なときに照れてしまったり、言葉が詰まってしまったりする姿は、まさに“最強なのに不器用”というギャップが堪らないです。
そんな可愛らしさが、読者の心を鷲掴みにすること間違いなしです。
引用元:あくまでクジャクの話です。 コミック1巻より
ハイスペックな優等生でありながらも、恋愛においてはどこか不器用。
その対比が生み出す阿加埜ちゃんの魅力は、まさに唯一無二。
彼女の可愛らしさに魅了され、気づけば彼女の一挙手一投足に夢中になってしまう、そんな不思議な魔力を持ったヒロインです。
②生物学と恋愛の融合が面白すぎる!
本作の最大の特色のひとつが、「生物学」という科学的な視点を通じて恋愛を解き明かしていく斬新な設定です。
ヒロインである阿加埜ちゃんは、単なる感情論ではなく、生物の本能や進化のメカニズムを踏まえながら、恋愛の仕組みを冷静かつ的確に分析します。
動物界におけるオスとメスの役割、遺伝子の伝達戦略、フェロモンの影響など、知的好奇心を刺激する内容が満載で、まるで恋愛学の講義を受けているかのような感覚に陥ります。
引用元:あくまでクジャクの話です。 コミック1巻より
しかし、阿加埜ちゃんの解説が面白いのは、単に知識を披露するだけではなく、それが現実の恋愛に驚くほど当てはまるからです。
例えば、「なぜ人は好きな相手の前では不安定になるのか?」「なぜ一部の人はモテるのに、一部の人は恋愛に苦労するのか?」といった疑問に対して、生物学的な視点から明快な答えを導き出してくれます。
彼女の言葉を聞いていると、普段は曖昧なままにされがちな恋愛の現象に、理屈がついてスッキリと腑に落ちる瞬間が何度も訪れます。
ただし、彼女の解説は決して甘くはありません。
時には「生物としての人間」という視点から、恋愛の厳しい現実を容赦なく突きつけることもあります。
「運命の相手」や「純粋な愛」といったロマンチックな理想を打ち砕くような場面もあり、まるで冷徹な研究者のような一面を見せることも。
しかし、その鋭い言葉の裏には、人間の本質を理解し、よりよい恋愛をしてほしいという阿加埜ちゃんなりの優しさが込められています。
知識としての生物学と、感情が絡む恋愛。
一見、相反するように思える二つの要素を見事に融合させた本作は、ただのラブコメではなく、「恋愛の仕組み」を学べる知的エンターテインメントとしての側面も持っています。
読めば読むほど、自分の恋愛観をアップデートしてくれる――そんな新鮮な読書体験が待っていることでしょう。
『あくまでクジャクの話です。』が好きな人にオススメの作品
『あくまでクジャクの話です。』が好きな方には、以下の作品もオススメです。
①恋と嘘
『あくまでクジャクの話です。』で生物学×恋愛の切り口に心を掴まれた人にこそ読んでほしいのが、『恋と嘘』です。
少子化対策として国が結婚相手を決める政府通知制度が存在する日本を舞台に、16歳の主人公・根島由佳吏が、初恋の相手・高崎美咲と、政府が決めた婚約者・真田莉々奈との間で揺れ動く物語。
「恋は自由か、義務か?」というテーマのもと、感情と制度、個人の幸福と社会のルールが真正面からぶつかり合います。
『あくまでクジャクの話です。』で描かれる、恋愛を科学的に解き明かしながらも人間の感情が勝ってしまう瞬間――そのギャップに惹かれた読者なら、『恋と嘘』が描く制度では割り切れない心の動き”にもきっと夢中になるはずです。
誰を選ぶのか、何を選ぶのか。そしてその選択の先に待つものは、幸福か、それとも後悔か。
ページをめくる手が止まらない恋愛ドラマが、あなたを待っています。
『恋と嘘』について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
②理系が恋に落ちたので証明してみた。
『あくまでクジャクの話です。』で恋愛を科学的な視点から切り込む面白さに心を掴まれた人にこそ読んでほしいのが、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』です。
理系大学院に通う才女・氷室菖蒲と、同じく頭脳明晰な雪村心夜が、「自分たちが恋に落ちた」という事実を論理的に証明しようとする物語。
彼らが挑むのは、実験データや統計解析、数値シミュレーションを駆使して、恋という感情を科学的に解明するという、前代未聞の恋愛研究です。
『あくまでクジャクの話です。』の阿加埜が生物学の知見で恋愛の真理を突きつけるように、『理系が恋に落ちたので証明してみた。』の二人もまた、愛を感情ではなく論理で追い詰めます。
しかし、計算式やグラフでは割り切れない瞬間が訪れるたび、二人の距離は少しずつ縮まり、感情と理論の間で揺れ動く様子がたまらなく愛おしくなります。
笑いながらも、ふと胸がきゅっと締め付けられる理系的ラブコメ。
論理と恋心の交差点に立つ二人の姿は、『あくまでクジャクの話です。』の読者の知的好奇心と胸のときめきを、同時に満たしてくれるはずです。
『理系が恋に落ちたので証明してみた。』について、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
まとめ
『あくまでクジャクの話です』は、ただの恋愛漫画ではありません。
科学の視点から恋を分解しながらも、最終的に理屈では説明できない人間らしさへとたどり着く、その物語は知的好奇心と胸のときめきを同時に満たしてくれます。
笑って、学んで、ちょっと自分の恋愛観まで揺さぶられる――そんな特別な体験が待っています。
次のページをめくると、あなたもきっと、この作品の虜になっているはずです。