こんにちは。アシカです!
今回は、アシカブログで公開している1人用ブラウザ推理ゲーム『忘却の招待状』の開発秘話をお話しします。
「なぜ、自分でゲームを作ろうと思ったのか」
「どうして、1人用の推理ゲームにしたのか」
その背景には、私が約3年間楽しんできた「マーダーミステリー」、通称「マダミス」を、もっと多くの人に知ってもらいたいという思いがあります。
この記事では、制作のきっかけや、ゲームを作るうえで大切にしたことを紹介します。犯人の名前や結末は明かしませんが、ゲームの仕組みや構成に触れるため、できればプレイ後に読んでいただけるとうれしいです。
まだ遊んでいない方は、こちらからどうぞ。PC・スマートフォンのブラウザで無料で遊べます。
『忘却の招待状』を作った3つの理由
制作のきっかけは、大きく分けて次の3つです。
- マダミスを楽しむ人を増やしたかった
- 生成AIを使ってゲームを作ってみたかった
- アシカブログならではの楽しみを増やしたかった
順番にお話ししていきます。
マダミスを楽しむ人を増やしたかった
私は昔から、小説や漫画、ゲームが大好きです。
ほかの趣味にも手を出してきましたが、なかなか長続きしませんでした。そんな私がすっかりハマり、約3年も続けているのがマダミスです。
マダミスは、参加者が物語の登場人物になりきり、会話や調査を通じて事件の真相を追っていくゲームです。作品によってルールは異なりますが、殺人事件の関係者として、それぞれの秘密や目的を抱えながら行動するものが多くあります。
人狼ゲームのように相手の発言を考える面白さに、物語を読み解く楽しさが加わっている、と言うとイメージしやすいかもしれません。
これが、ハマる人には本当にたまらないんですよね。
ただ、初めて遊ぶまでのハードルは高いと感じています。
「自分だけ推理についていけなかったらどうしよう」
「この秘密は、ほかの人に話してもいいの?」
「自分の行動でゲームを台無しにしてしまわないかな?」
興味はあっても、こうした不安から踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
ルールの疑問は進行役などに確認できる場合もありますが、自分の秘密をどこまで話すか、誰を信用するかは、自分で判断することになります。慣れていないうちは、そこが難しく感じられると思います。
そこで考えたのが、誰かに気を遣わず、自分のペースで「証拠を集めて推理する楽しさ」を体験できるゲームでした。
『忘却の招待状』は、複数人で遊ぶマダミスそのものではありません。それでも、調査フェイズや人物への聞き込み、証拠をもとにした推理など、マダミスにつながる要素を取り入れています。
遊んだあとに「証拠を整理するのって面白いな」「今度はほかの人とも遊んでみたいな」と感じてもらえたら、制作した意味があると思っています。
難解なトリックを一発で見抜ける人だけが、マダミスを楽しめるわけではありません。
「この人の話は、さっきの証拠と合わない」
「その時間、この場所へ行けたのは誰だろう?」
そんな小さな気づきを持ち寄ることも、立派な推理です。すべての謎を一人で解けなくても、誰かの発言と自分の情報がつながって、真相に近づくことがあります。
その面白さを知る最初の一歩として、『忘却の招待状』が役立てばうれしいです。
マダミスについてもっと知りたい方は、こちらの動画もご覧ください。
「実際に遊ぶなら、どの作品から始めればいい?」という方には、マダミス初心者におすすめの5作品を紹介した記事も用意しています。
私が実際に遊んだ作品の中から、最初の一作にすすめたいものをまとめました。
生成AIを使ってゲームを作ってみたかった
もう一つのきっかけは、生成AIです。
YouTubeで、生成AIを使ってゲームを開発する動画を見ているうちに、ふと「これなら、私にもゲームを作れるのでは?」と思いました。
試しに制作をお願いしてみると、想像以上に形になったものが出てきたんです。
私は、ゲーム開発の知識がほとんどないところから始めました。それでも、自分が考えた場面や仕組みが、実際に操作できるゲームになる。その体験が面白くて、気づけば夢中になっていました。
ただ、動く試作版ができることと、最後まで気持ちよく遊べることは別でした。
実際にプレイしてみると、似た証拠が多くて選びにくかったり、次に何をすればいいのか分かりづらかったり。物語の設定を変えた結果、以前の会話とつじつまが合わなくなることもありました。
「この証拠は、なぜ今になって見つかるの?」
「この情報だけでは、まだその結論にはたどり着けないのでは?」
そうした点を見直しながら、何度も修正を重ねています。
生成AIに形を作ってもらい、私が遊んで確かめ、気になったところを直していく。この繰り返しが、今回の制作の中心になりました。
アシカブログならではの楽しみを増やしたかった
私は、漫画やゲームなど、自分の好きなものを紹介する「アシカブログ」を運営しています。
ブログの運営について調べていると、「独自性が大切」という話をよく目にします。でも、最初は「独自性って、具体的にどう作ればいいんだろう?」と悩んでいました。
そこで思いついたのが、自分で作ったゲームをブログに載せることです。
作品の感想を読んでもらうだけでなく、その場で物語を体験してもらう。そんな楽しみが加われば、アシカブログを訪れる理由も一つ増えるのではないかと考えました。
もちろん、ゲームを公開しただけで検索順位が上がったり、多くの人に知ってもらえたりするとは限りません。
それでも、「この記事が面白かった」「このブログのゲームをまた遊びたい」と思ってもらえるものを増やしていくことは、ブログの価値につながるはずです。
『忘却の招待状』をきっかけに、マダミスの紹介記事や、漫画・ゲームのレビューにも興味を持っていただけたらうれしいです。
コンセプトは「シンプルで分かりやすい、1人用のマダミス体験」
『忘却の招待状』を作るうえで、軸にしたのは次の考え方です。
マダミスを知らない人でも、調査と推理の楽しさを体験できること。
推理ゲームを作るなら、誰もが驚くトリックや複雑な仕掛けを用意したくなります。私も、制作中に「もっと物語を複雑にした方が面白いのでは?」と考えました。
ただ、今回の出発点は、マダミスを始めるきっかけを作ることです。
仕組みを覚えるだけで疲れてしまったり、何を考えればいいのか分からなくなったりしては、目的から離れてしまいます。
そこで、意外性だけを追い求めるよりも、情報を集め、整理し、理由を持って答えを選べることを大切にしました。
舞台を一族の屋敷にしたのも、登場人物の関係や調査する場所をイメージしやすくしたかったからです。
3つの調査フェイズで、少しずつ真相に近づく
ゲームでは、調査フェイズを3つに分けています。
最初からすべての場所や情報に触れられるのではなく、調査が進むにつれて、新しい証言や調査先が増えていく仕組みです。
これは、段階的に情報が公開されるマダミスの遊び方を、1人用に取り入れたものです。
特に大切にしたかったのは、あとから得た情報によって、最初に聞いた証言の意味が変わって見えることでした。
序盤では気にならなかった発言が、犯行時刻を絞ったあとに読み返すと、不自然に感じられる。別の証拠が見つかることで、怪しいと思っていた人物の行動に説明がつく。
情報が増えるだけでなく、プレイヤー自身の見方が変わる。そんな調査の面白さを目指しました。
証拠を拾うだけでなく、誰に見せるかを考える
場所を調べてアイテムを集めるだけでは、作業のようになってしまいます。
そこで、人物に証拠を見せることで質問が増えたり、それまで隠していた話を聞けたりする仕組みを入れました。
これは、マダミスの密談や情報交換に近い楽しさを、1人用に置き換えたものです。
「この証拠について知っていそうなのは誰だろう?」
「この話を聞くためには、何を示せばいいのだろう?」
そんなふうに、人物と情報を結びつけて考えてもらえたらと思っています。
また、嘘をついた人物が、そのまま犯人になる構成にはしたくありませんでした。
犯人でなくても、人に知られたくない事情はあります。嘘を見つけて終わりではなく、「なぜ隠したのか」まで考えるところに、人物を調べる面白さがあると思うからです。
みんなで議論する代わりに、主人公と情報を整理する
複数人で遊ぶマダミスには、集めた情報を共有し、意見を交わす時間が設けられている作品があります。
『忘却の招待状』は1人用なので、ほかのプレイヤーとの議論はできません。
その代わりに、フェイズの区切りで主人公の考察を読み、選択肢を選びながら情報を整理する形にしました。
ここで目指したのは、プレイヤーを難しい問題で試すことではありません。
「今、何が分かっているのか」
「次の結論には、どの証拠が必要なのか」
それを主人公と一緒に確認し、納得して先へ進めるようにすることです。
考察中に調査内容を見返せるようにしたのも、細かな情報をすべて暗記しなくても、推理を楽しめるようにしたかったからです。
1人用では再現しきれない、マダミスの面白さ
ここまで、マダミスに近づけるための工夫を紹介しましたが、複数人で遊ぶからこその面白さもあります。
それが、同じ情報を持っていても、人によって選ぶ行動が違うことです。
自分が分かるだけでなく、相手に伝える面白さ
『忘却の招待状』では、プレイヤー自身が証拠を整理し、犯人を選びます。
一方、投票で犯人を決めるマダミスでは、自分が真相に気づいても、それだけで思いどおりの結果になるとは限りません。
「なぜ、その人物が犯人だと思うのか」を説明したり、ほかの人が持っている情報を聞いたりする必要があります。
自分にとっては決定的な証拠でも、相手は別の事情を知っているかもしれません。話し合ううちに推理が補強されたり、反対に思い込みに気づいたりすることもあります。
この、考えを伝え合う面白さは、1人用のゲームにはない魅力です。
犯人探しだけではない、登場人物それぞれの目的
マダミスには、犯人を見つける以外にも、登場人物ごとの目的が設定されている作品があります。
守りたい相手がいたり、秘密を隠したかったり。目的の達成に応じて得点を得られる作品もあります。
そのため、誰もが同じ情報を共有し、同じ結論を目指すとは限りません。
事件の真相を明かすことと、自分の大切なものを守ること。どちらを優先するのか、迷う場面もあります。
さらに作品によっては、事件の裏で別の思惑が動いていたり、犯人探し以外にも解決すべき問題があったりします。
私は、この「自分ならどうするか」を考えながら物語に関われるところも、マダミスの魅力だと感じています。
同じ作品でも、遊ぶ人が変わると展開が変わる
自分が遊んだことのある作品を、別のグループがプレイしている様子を見るのも面白いです。
「その情報を、ここで話すんだ」
「自分たちのときは、そんな展開にならなかったな」
同じ登場人物でも、誰を信用するか、何を隠すか、どの目的を優先するかで、やり取りが変わっていきます。
用意された物語がありながら、その場に集まった人たちによって違う体験になる。この部分は、ぜひ実際のマダミスでも味わってみてほしいです。
まとめ|「マダミスも遊んでみたい」と思ってもらえたら
『忘却の招待状』は、「マダミスをもっと多くの人に楽しんでもらいたい」という思いから作り始めたゲームです。
生成AIをきっかけに制作へ踏み出し、試作とテストプレイを繰り返しながら、初心者でも進め方が分かりやすい形を目指してきました。
遊んでくださった方にとって、印象に残る場面や、自分の推理がつながった瞬間が一つでもあればうれしいです。
そして、そこから「今度は誰かとマダミスを遊んでみたい」と思っていただけたら、制作者としてこれ以上うれしいことはありません。
「次は友人や家族と遊んでみたい。でも、最初の作品選びで迷ってしまう」という方は、初心者向けのおすすめ記事もご覧ください。
私が実際にプレイして、初めての方にもすすめたいと感じた5作品を紹介しています。気になる物語を見つけて、次のマダミス体験につなげてもらえたらうれしいです。
これからも、記事を読む楽しさと、ゲームを遊ぶ楽しさの両方があるブログにしていきたいと思っています。
『忘却の招待状』を遊んでくださった皆さん、そして開発秘話まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!
感想をいただけると、次の作品を作る励みになります。公開コメントやSNSでは、これから遊ぶ方のために、犯人や結末などのネタバレを避けてお寄せください。

