こんにちは、アシカです!
今回は、アドベンチャーゲーム好きなら一度はタイトルを目にしたことがあるであろう、和風ミステリーADV『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』をレビューします。
都市伝説“笑み男”と連続殺人事件が交錯する本作は、「聞き込み」「調査」「推理」を中心に進行していく、昔ながらのコマンド式アドベンチャー。
雰囲気作りや題材の魅力はしっかりと感じられ、序盤は物語に引き込まれる体験ができました。
ただし、ゲームシステムそのものは良くも悪くも“古き良きADV”の延長線で、推理というより総当たりで進行してしまう場面も多く、評価が分かれる作品だと感じています。
ゲームの評価基準について
本記事では、以下の5段階で評価しています。
あくまで私自身のプレイ体験に基づいたものですので、購入時の参考程度にご覧ください。
▪️Sランク・・・神作。ゲーム好きであれば必ずプレイしてほしい作品。
▪️Aランク・・・名作。一人によってはSランクになってもおかしくない作品。
▪️Bランク・・・普通に面白く、フルプライスで購入しても満足する作品。
▪️Cランク・・・凡作。
▪️ランク外・・・自分には合わなかった作品。
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』とは?
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』は、任天堂が手がける和風サスペンスADVで、都市伝説“笑み男”を題材に描かれるミステリー作品です。
シリーズとしては、すでにSwitch向けにフルリメイクされた前二作『消えた後継者』『うしろに立つ少女』に続く形で語られる物語で、現代のプレイヤーでも遊びやすいビジュアル・UIに調整されています。
私自身、ADVジャンルの経験はあったものの、本格的な“推理ADV”はほぼ初挑戦で、序盤の聞き込みや証言集め、場面ごとの情報整理は非常に新鮮でした。
「推理ゲームってこうやって情報を積み上げていくのか」とワクワクさせられる瞬間がある一方で、後半は総当たりで進行させられる場面も目立ち、古典ADVらしさ=良さと弱点の両方を感じさせる仕上がりでもあります。
物語の舞台は、地方で発生した猟奇的な殺人事件。
男子中学生の遺体には不気味な“笑顔の紙袋”が被せられ、その手口は18年前の連続少女殺人事件、そして都市伝説『笑み男』と酷似していた――。
泣いている少女の前に現れ、命と引き換えに“笑顔の紙袋”を渡す存在。
噂話として語られるはずの怪異が、現実の事件と結びついたとき、空木探偵事務所は再び真相解明へ動き出します。
過去事件とのリンク、証言の矛盾、見落としていた手がかり……。
“笑み男”という存在に迫るため、プレイヤーは断片的な情報を拾い集め、事件の核心に踏み込んでいくことになります。
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』総合評価
| ストーリー | |
| ゲームシステム | |
| ジャンル | 推理ADV |
| 対応機種 | Switch |
| 発売元 | 任天堂 |
| 公式サイト | ファミコン探偵倶楽部 笑み男|Nintendo Switch|任天堂 |
| クリア時間 | 約8時間前後 |
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』は、総合評価Cランクとさせていただきます。
物語序盤の雰囲気づくりや題材の魅力はしっかりと光っており、都市伝説×連続殺人という導入は非常に惹きつけられました。
特に、聞き込み・証言・事件の関連性を探る過程は、推理ものとしての面白さが垣間見えるポイントです。
しかしながら、ゲームシステム面で気になる点が多く、評価を押し下げてしまった印象があります。
選択肢総当たりで進んでしまう仕様や、推理を外しても物語が進行してしまう“過保護さ”によって、プレイヤー自身の考察が結果に結びつきづらく、推理ADV本来の没入感が薄れがちでした。
また、ボリュームについても約8時間でクリアできる手軽さは魅力である一方、展開が読みやすくなる中盤以降は「もう一段深さが欲しい」と感じる部分があり、ストーリー面では惜しさが残ります。
もし、推理失敗が物語に影響する仕組みや場面移動による情報収集が必須となっていたら
この作品は間違いなくBランク、場合によってはAまで届いた可能性があったと感じています。
雰囲気・題材・追加エピソードは魅力的。
しかし、推理ゲームとしての手応え不足が評価に影響した結果、総合的にCランクという判断になりました。
良かった点
『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』の大きな魅力は、推理ADVというジャンルに初めて触れるプレイヤーでも、自然と物語世界へ入り込める導線の巧みさにあります。
ADVゲーム自体は遊んだことがあっても、「推理するゲーム」と聞くと少し身構えてしまう人も多いはずですが、本作は人に話を聞き、質問を選び、周囲を調べるという基本動作を通じて、少しずつ“探偵としての視点”を身につけさせてくれます。
引用元:ファミコン探偵倶楽部 笑み男 ゲーム画面
序盤は特に新鮮で、ひとつの証言が次の手がかりにつながっていく感覚が心地よく、「次は何が分かるんだろう?」と自然に先を読み進めたくなる作りになっています。
中でも印象的だったのが、推理パートに用意されている入力式の解答です。
選択肢を選ぶだけではなく、自分の言葉で答えを導き出す場面では、これまでの会話や得た情報を頭の中で整理し直す必要があり、プレイヤー自身が事件に向き合っている感覚を強く味わえました。
画面の向こう側で物語を眺めているのではなく、「自分がこの事件を追っている」という意識を持たせてくれる瞬間であり、推理ADVとしての魅力が最も輝くポイントだと感じます。
引用元:ファミコン探偵倶楽部 笑み男 ゲーム画面
また、エンディング後に解放される追加エピソードも見逃せません。
アニメーション形式で進行する場面が用意されており、本編とは異なるアプローチで物語を補完してくれるため、クリア後の余韻をより深いものにしてくれます。
単なる後日談ではなく、作品全体の印象を引き締める役割を果たしており、「最後まで遊んで良かった」と思わせてくれる仕上がりでした。
プレイ時間が約8時間とコンパクトにまとまっている点も、現代のプレイヤーにとっては大きな魅力です。
長時間を確保しなくても、一気に物語を体験できるため、忙しい社会人でも手を出しやすく、物語の流れを途切れさせずに楽しめます。
]重厚なテーマを扱いながらも、気負わずプレイできるボリューム感は、本作ならではの強みと言えるでしょう。
気になった点
引用元:ファミコン探偵倶楽部 笑み男 ゲーム画面
本作を通して最も強く感じたのは、推理ADVとしての手応えの弱さです。
序盤こそ新鮮だった聞き込みや調査も、物語が進むにつれて「使える行動をすべて試せば話が進む」という印象が強まり、推理しているというより正解ルートをなぞらされている感覚が残りました。
場所移動の選択肢が限られている場面も多く、「情報が足りないから別の場所で調べる必要があるのでは?」と考える余地が少ない点は惜しいところです。
また、推理パートにおいても、間違った推理をしていても物語が進行するケースが多く、ゲーム全体がかなり過保護に感じられました。
失敗が失敗として成立しないため、推理結果が物語に反映されている実感が薄く、緊張感や達成感を得づらい構造になっています。
入力式推理が印象的だった分、それ以外の推理パートとの落差がより際立ってしまいました。
さらに気になったのが、エンディング後の追加エピソードの位置づけです。
追加エピソードで事件の大筋や真相が明かされる構成になっているため、「本編で積み重ねてきた推理は、果たしてどれほど意味があったのだろうか?」と感じてしまいました。
アニメーション演出そのものは非常に完成度が高く、見応えもあるだけに、できればこの内容を本編に盛り込み、推理パートそのものに深みを与えてほしかったところです。
こうした点を踏まえると、個人的には本作はテレビゲームとしてよりも、マーダーミステリー作品として体験した方が評価が大きく変わっていたのではないかと感じています。
プレイヤー自身の推理や選択が結末に直結し、失敗も成功も物語の一部として受け止められる形式であれば、“笑み男”という題材はさらに強く輝いていたはずです。
▼マーダーミステリーというジャンルの魅力については、こちらの動画でも詳しく紹介しています
また、私自身これまでにさまざまなマーダーミステリー作品をプレイしてきました。
推理の手応えや選択の重みを重視したい方は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
👉 私がプレイしてきたマーダーミステリー作品のレビューまとめはこちら
まとめ|雰囲気は秀逸、だが“推理する手応え”を求めると物足りない一本
ファミコン探偵倶楽部 笑み男は、都市伝説と連続殺人を掛け合わせた題材や、和風サスペンスならではの不穏な空気感、そして演出面のクオリティに関しては非常に魅力的な作品でした。
推理ADV初心者でも入りやすい導入や、要所で用意されている入力式推理パート、エンディング後の追加エピソードなど、印象に残るポイントも確かに存在します。
一方で、推理ADVとしての“手応え”という観点では、どうしても物足りなさが残りました。
総当たりで進行してしまうゲーム構造や、推理を外しても物語が進行する過保護な設計、そして事件の大筋が追加エピソードで補完される構成は、「自分の推理で事件を解いた」という達成感を得にくい要因になっています。
題材や雰囲気が優れているからこそ、その点がより惜しく感じられました。
そのため本作は、
雰囲気を重視したADV作品が好きな方や、
短時間でサスペンスを楽しみたい方には向いている一方で、
推理の成否が結末に直結する体験を求める方や、
自分の選択によって物語が大きく変化するゲームを期待している方にとっては、
やや物足りなく感じるかもしれません。
個人的には、この内容とボリュームであれば、テレビゲームとしてではなく、マーダーミステリーのようにプレイヤー自身の推理や選択が結果に直結する形式で体験できていたら、評価は大きく変わっていたのではないかと感じています。
だからこそ、「つまらない」ではなく「惜しい」という感情が強く残る作品でした。
総合的な評価はCランク。
雰囲気や題材に惹かれる方には一度触れてみてほしい一方で、推理ゲームとしての歯ごたえを求める人には好みが分かれる――そんな一本です。






