『真夜中ハートチューン』に登場するヒロインたちは、
それぞれが「声」という武器を手に、夢を追いかけています。
歌手、声優、アナウンサー、Vtuber――
誰もが魅力的で、誰もが物語を動かす力を持っています。
その中でも、井ノ華六花は少し特別な存在です。
放送部の部長であり、校内ライブを続ける実力派の歌手志望。
クールで大人びていて、どこか近寄りがたい雰囲気をまといながらも、
ふとした瞬間に見せる不器用さや弱さが、強く印象に残るヒロインでもあります。
六花は、才能があるからこそ挫折し、
期待されるからこそ逃げてしまった過去を持つ少女です。
「歌うこと」が好きなのに、同時にそれが怖くなってしまった。
その矛盾を抱えたまま、それでも前に進もうとする姿が、
物語の随所で丁寧に描かれています。
そして、そんな六花の前に現れたのが、山吹有栖という存在でした。
彼との出会いは、六花の止まっていた時間を少しずつ動かし、
歌、恋、そして未来への向き合い方に変化をもたらしていきます。
この記事では、
「井ノ華六花はどんなヒロインなのか?」
「なぜ彼女は一度、歌えなくなってしまったのか?」
「有栖との関係は六花をどう変えたのか?」
といった点を軸に、彼女の魅力を順を追って掘り下げていきます。
六花がただ“可愛いヒロイン”なのではなく、
『真夜中ハートチューン』という物語の中で、
なぜこれほどまでに印象的な存在になっているのか――
その理由を、一緒に紐解いていきましょう。
井ノ華六花はどんなヒロイン?
引用元:STORY-TVアニメ『真夜中ハートチューン』公式サイト- Screenshot
井ノ華六花は、『真夜中ハートチューン』のヒロインの中でも、ひときわ落ち着いた雰囲気をまとった存在です。
放送部の部長であり、毎週水曜日には校内ライブを続ける歌手志望。
実力も経験もあり、周囲からは「できる人」「大人びた人」と見られがちな少女です。
一方で、六花はどこか一線を引いて人と接するヒロインでもあります。
冗談を言って相手をからかうことはあっても、
自分の本音や弱さを真正面から見せることはほとんどありません。
その態度は冷たさではなく、慎重さに近いものです。
誰かに期待されること、近づかれることに対して、
無意識にブレーキをかけてしまう――
六花はそうした“距離感”を常に保ちながら生きているキャラクターです。
山吹有栖との関係でも、その性質ははっきり表れています。
最初は自然に距離を縮め、冗談めかして「愛している」と口にするほど余裕を見せながら、
次第に有栖を警戒し、線を引くような態度へと変わっていく。
六花自身もその変化を自覚しており、
有栖が「雰囲気が変わった」と感じるほど、彼女は意識的に距離を取っています。
しかし同時に、六花はとても素直な一面も持っています。
可愛い服を着る理由を正直に口にしたり、
「褒めて」と真っ直ぐに甘えたり、
ふとした瞬間に感情がそのまま表に出てしまう。
強がりで、大人ぶっていて、でも防御力は驚くほど低い。
六花は、そんな矛盾を抱えたヒロインです。
彼女は物語の中で、誰かに守られる“お姫様”ではありません。
かといって、すべてを背負って突き進む“強者”でもない。
自分の足で立とうとしながら、迷い、揺れ、立ち止まる――
その姿こそが、井ノ華六花というヒロインの本質です。
そして、この「距離を取る理由」「踏み出せない理由」こそが、
次の見出しで語る “六花が歌えなくなった理由” へと繋がっていきます。
六花が抱える“歌えなくなった理由”
井ノ華六花が一度「歌えなくなった」のは、才能がなかったからではありません。
むしろその逆で、才能があったからこそ、立ち止まってしまったという点が、この物語の残酷さであり、同時に六花というキャラクターの核心でもあります。
中学時代、六花は友人・アイコとバンドを組み、純粋に音楽を楽しんでいました。
評価も結果も気にせず、ただ「好きだから歌う」。
そこには迷いも恐れもなく、音楽は六花にとって居場所そのものでした。
しかし、その関係は突然崩れます。
レコード会社から声がかかったのは、バンド全体ではなく「六花だけ」だったからです。
この出来事は、六花の人生にとって“転機”であると同時に、
音楽に対する向き合い方を根底から変えてしまう出来事でした。
選ばれたこと自体が、六花にとっては祝福ではありませんでした。
「自分は本当にそこまでの存在なのか」
「期待に応えられなかったらどうしよう」
「がっかりされたら、もう戻れない」
他人に評価されること、数字や結果で測られることが、
六花にはあまりにも重くのしかかったのです。
そして彼女は逃げてしまう。
歌うことから、期待から、そしてアイコとの関係からも。
この経験が、六花にとって深い“トラウマ”となっています。
そのトラウマのせいで六花は、オリジナル曲が書けなくなります。
歌えないのではなく、「自分の本音を音楽に乗せること」ができなくなったのです。
引用元:真夜中ハートチューン 3巻より
校内ライブを続けているのも、
歌うことを諦めきれないからであり、
同時に、どこか安全な距離を保てる場所だからでもあります。
「何度やっても緊張しちゃうね」と笑いながら歌う六花は、
楽しんでいるようでいて、実は常に自分にブレーキをかけています。
本気で期待される場所へは行かない。
でも、音楽からは離れない。
その曖昧な立ち位置こそが、
六花が“歌えなくなった理由”の正体です。
六花は音楽を嫌いになったわけでも、夢を捨てたわけでもありません。
ただ一度、音楽に本気で向き合ったからこそ、
その重さを知ってしまった少女なのです。
だからこそ、誰かが背中を押してくれなければ、
あるいは「一緒に立ってくれる存在」がいなければ、
六花はもう一歩を踏み出せずにいました。
そして、その停滞した時間を動かしていくのが、
山吹有栖との出会いであり、
次に語る 「有栖との出会いがもたらした変化」 へと繋がっていきます。
有栖との出会いがもたらした変化
井ノ華六花の止まっていた時間が、少しずつ動き出すきっかけとなったのが、山吹有栖との出会いでした。
有栖は、六花の過去も、音楽のトラウマも、最初から知っていたわけではありません。
それでも彼は、六花の歌を「完成度」や「将来性」で判断せず、
ただ純粋に“いい声だ”と受け取り、真正面から向き合おうとします。
その姿勢は、六花にとってとても厄介なものでした。
六花はこれまで、
・期待される前に距離を取る
・踏み込まれる前に冗談でかわす
・本気になる前に逃げ道を用意する
ことで、自分を守ってきたからです。
しかし有栖は、そうした六花の防御をすり抜けてきます。
音楽の専門家でもなく、業界の人間でもない。
だからこそ、有栖の言葉は評価でも圧力でもなく、
六花の心にまっすぐ届いてしまうのです。
「路上ライブでCDを50枚手売りした」という話を巡って衝突した場面は、
その象徴的なシーンと言えるでしょう。
引用元:真夜中ハートチューン 1巻より Screenshot
六花は、有栖の言葉に激しく反発します。
それは、有栖が間違っていたからではなく、
彼の言葉が“六花の核心”に触れてしまったからです。
有栖は、六花が一番触れられたくなかった
「音楽に本気で向き合うこと」
「逃げている自分」を、無自覚のまま照らしてしまった。
だから六花は距離を取るようになります。
優しくしつつ、警戒し、線を引く。
有栖自身も「雰囲気が変わった」と感じるほど、
六花は意識的に一歩引いた場所に立つようになりました。
それでも、有栖との関係は断ち切れません。
体育祭で「一番好きな声の人」として有栖を選んだこと。
可愛い服を着る理由を、思わず正直に口にしてしまったこと。
水着選びで「私は山吹くんのためだけど」と言ってしまう無防備さ。
六花は、有栖の前ではどうしても“本音”がこぼれてしまいます。
それは、有栖が
六花を「才能ある歌手」としてではなく、
「悩み、迷う一人の少女」として見ているからです。
路上ライブ編で、六花が再び一歩を踏み出せたのも、
有栖が「結果」ではなく「過程」を信じ続けたからでした。
成功しても、失敗しても、
六花の歌そのものを肯定し続けた。
その積み重ねが、
六花に「また歌ってもいいのかもしれない」と思わせます。
有栖は六花の代わりに夢を叶えてくれる存在ではありません。
背中を押すだけでも、救い上げるだけでもない。
隣に立ち、一緒に迷ってくれる存在です。
だから六花は、
有栖に対して強く出たり、甘えたり、照れたり、
矛盾した感情をぶつけてしまう。
それは恋心であると同時に、
「もう一度、本気で歌う自分を見てほしい」という願いでもあります。
有栖との出会いは、
六花から恐れを消したわけではありません。
ただ、恐れを抱えたままでも進んでいいのだと、
彼女に教えただけなのです。
六花の可愛いシーンベスト3
引用元:STORY-TVアニメ『真夜中ハートチューン』公式サイト- Screenshot
ここまで、井ノ華六花というヒロインを
歌・過去・象徴性といった側面から掘り下げてきましたが、
彼女の魅力は決して“重さ”や“物語上の役割”だけに留まりません。
六花というキャラクターがこれほど読者に愛される理由のひとつが、
クールで余裕のある態度の裏に、
ふとした瞬間に零れ落ちる 無防備な可愛さ にあります。
普段は一歩引いた視点で周囲を見渡し、
冗談や強気な言葉で自分を守っている六花。
しかし有栖の前では、その仮面が驚くほど簡単に崩れ、
照れたり、焦ったり、素直な感情がそのまま表に出てしまう。
それは狙って作られた可愛さではなく、
感情が追いつかずに溢れてしまった結果の可愛さです。
ここからは、
この私・アシカが原作を読み込む中で
「これは反則だろ……」
「六花、ずるい……」
と思わず唸ってしまった可愛いシーンを、
独断と偏見でベスト3として紹介していきます。
物語の重たい部分を知っているからこそ刺さる、
何気ない一言、些細な仕草、崩れた表情――
六花というヒロインの“人間らしさ”を、
肩の力を抜いて楽しんでいただければ幸いです。
第3位:第3話「うそつき」――悪戯心が最高潮に可愛い瞬間
六花の可愛さが一気に読者へ刺さった名シーンが、
1巻収録・第3話「うそつき」です。
第2話のラストで、有栖が放った
「放送部の彼女たち全員を、俺がプロまで導いてみせる」という宣言。
一見すると頼もしい言葉ですが、
六花にとってそれは“何も知らない人間の軽い言葉”に映りました。
それまで友好的だった態度が一転し、どこか距離を取るようになる六花。
この変化がまず、切なくて可愛い。
そしてファミレスでの衝突。
有栖が出した課題――
「路上ライブで自作CDを50枚売る」。
それを聞いた瞬間、六花は声を荒げるわけでもなく、
静かにブチギレます。
「緊張で手が震えたことくらい、あるでしょ?」
この問いに対して、有栖が返した
「山吹の血は緊張とは無縁だ」
というあまりにも不器用な返答。
それに対して六花が放ったのが、
「緊張したことがない?……うそつき君って、口だけだよね」
この言い方がもう、絶妙です。
怒りと失望と、ほんの少しの期待が入り混じった一言。
しかしここで終わらないのが、この回の美しさ。
有栖は“口だけ”と言われた言葉を取り消させるため、
実は裏でギターと歌の練習をしていました。
そして、普段は六花がライブをしている校内の場所で、
突然ひとりで路上ライブを始める。
その流れで、六花と有栖は一緒にライブをすることになります。
ライブ後、六花が問いかけます。
「……さすがに緊張したでしょ?」
それでも有栖は、意地を張って
「俺は緊張などしない」と言い切る。
すると六花は、
有栖の胸元にぐっと近づき、
心臓の音が聞こえる距離まで詰め寄り、
ドキドキしている有栖を見下ろしながら――
「……うそつき」
引用元:真夜中ハートチューン 1巻より Screenshot
この時の六花の表情が、
悪戯っぽくて、勝ち誇ったようで、
それでいてどこか嬉しそうで――
最高に可愛い。
そしてその直後に表示される、
第3話のタイトル「うそつき」。
言葉・距離・表情・タイトル回収、すべてが完璧に噛み合った演出です。
六花の
・強がり
・鋭さ
・悪戯心
・そして少しの優しさ
その全部が詰まったこのシーンは、
「六花というヒロインを好きになる理由」が一瞬で理解できる名場面。
だからこそ、この回は
六花の可愛さベスト3・第3位にふさわしいのです。
👉 第3話「うそつき」が収録されている『真夜中ハートチューン』1巻は、こちらから購入できます。
六花の
・初めて見せた鋭さ
・悪戯っぽい可愛さ
・有栖との距離が一気に縮まる瞬間
そのすべてを、ぜひ原作で確かめてみてください。
六花というヒロインに惹かれたなら、1巻は間違いなく“刺さる一冊”です。
第2位:第100話「部長命令は絶対」――恋に弱すぎる部長が可愛い
六花の“可愛さ”が限界突破する回――
それが第100話「部長命令は絶対」です。
このエピソードの凄さは、六花というキャラクターが持つ
クール・理性・プロ意識が、恋の前でいとも簡単に崩壊していく様を、
これでもかと見せつけてくる点にあります。
発端は第99話。
六花が仕上げたデビュー曲の歌詞を、
バンドメンバーのヒズミに
「甘くてくどくて虫歯になりそう」
と、容赦なく一刀両断される場面から始まります。
さらに追い打ちのように、
「恋に盲目になりすぎ」と指摘され、当然のようにブチギレる六花。
――自分の音楽を否定された怒り。
――でもどこか、図星を突かれたような動揺。
この時点ですでに可愛いのですが、
本番はここからです。
第100話、六花は改めて自分の歌詞を読み返します。
するとそこにあったのは、
想像以上に甘く、素直で、有栖への想いが溢れすぎた言葉たち。
自分で書いたはずの歌詞なのに、顔を覆いたくなるほど恥ずかしくなり、
ひとりで赤面する六花。
引用元:真夜中ハートチューン 100話より Screenshot
この「気づいた瞬間に全部自覚してしまう」流れが、もう反則級です。
そこで六花が取った行動が、まさかの――「アリス断ち」宣言。
恋愛脳をリセットするため、しばらく有栖と距離を取ると決意します。
……が。
その“アリス断ち”を始めた途端、
他のヒロインたちが有栖にアタックし始める。
当然、六花は焦ります。
平静を装おうとするものの、視線が泳ぎ、表情が曇り、心がついてこない。
そしてついに――
ショックで、涙が溢れてしまう。
※まだアリス断ち1日目です。
この破壊力。
理性的で大人びた部長が、恋に関してだけはあまりにも不器用で、
自分の感情を持て余してしまう。
その姿が、これ以上なく人間的で、可愛くて、愛おしい。
最終的には、
「私のそばから、もう離れないこと」という“部長命令”で物語は収束。
強気な言葉で縛っているようで、
実はそれだけ不安だったという本音が透けて見えるのも、六花らしさ全開です。
クールな顔
照れた顔
焦った顔
泣き顔
甘える顔
これほど多彩な表情を、たった一話で見せてくれる回は他にありません。
だからこそ第100話「部長命令は絶対」は、六花ファンにとってのご褒美回。
可愛さの振れ幅という意味では、堂々の第2位。
そしてこの回が、おそらく12巻に収録されるであろうことを考えると――
今から震えて待つしかありません。
第1位:第68話「3秒無音は放送事故」――無意識のキスがすべてを持っていった瞬間
六花の可愛さが、物語そのものを一段上の次元へ引き上げた回。
文句なしの第1位が、第68話「3秒無音は放送事故」です。
この回が特別なのは、「キスをしたから可愛い」のではありません。
六花というヒロインが持つ感情の揺れ・焦り・独占欲・無自覚な本音
そのすべてが、たった一瞬の行動に凝縮されているからです。
舞台は文化祭の朗読劇。
有栖のすぐ隣で、同じ舞台に立ち、同じ台本を朗読していました。
そんな状況で、有栖としのぶが“キスをしているように見える演出”が行われます
(実際にはキスはしていませんが、六花にはそう見えてしまった)。
その瞬間、六花の胸に走るのは、
言葉にできない違和感と焦り。
嫉妬と断定するには早すぎる。
でも、目を逸らすには感情が近すぎる。
「今、何が起きたの?」
「どうして、こんなに落ち着かないの?」
六花自身ですら整理できない感情を抱えたまま、
場面は“放送中の有栖”へと移ります。
ここで六花は、
あくまで“放送をフォローするため”に動こうとします。
けれど――
その意識とは裏腹に、体が先に反応してしまう。
無意識のまま、有栖のほっぺにキス。
そして訪れる、タイトル通りの――
3秒間の無音。
引用元:真夜中ハートチューン 9巻より Screenshot
放送事故。
この“間”が完璧でした。
次の瞬間、我に返った六花は信じられないほど照れ、動揺し、その場から立ち去ります。
強気でクールな六花が、感情に追いつけず取り乱す。
このギャップこそが、六花の一番の魅力です。
さらに文化祭の打ち上げで、
有栖としのぶが「実際にはキスしていなかった」と知らされた瞬間。
六花は一気に現実に引き戻され、
「やってしまった……」と全身で焦りを表現します。
この“後悔と照れが混ざった反応”が最高に可愛いです。
そして極めつけが、その後のやり取り。
有栖から
「さっきのキス、どういう意味だったんだ?」
と問われた六花は、こう答えます。
「好きだから」
「頑張ったお礼」
「焦ったから」
「単純な興味」
そして――
「正解は君が決めて」
「私は、この中のどれを選ばれても構わないから」
最後に告げる一言。
「全部、君の“お気に召すまま”。」
引用元:真夜中ハートチューン 9巻より Screenshot
この台詞で、第69話のタイトル回収。
さらに朗読劇の演目タイトルとも重なり、
物語構造としても完璧な美しさを見せつけます。
無意識の衝動。
照れと焦り。
言葉にしない選択の委ね方。
六花というヒロインの魅力が、
もっとも濃縮された回でした。
だからこそ、この第68,69話は
六花の“可愛い”を語るうえで、絶対に外せない第1位なのです。
第68話「3秒無音は放送事故」、
そしてその直後の第69話までが収録されているのが、『真夜中ハートチューン』9巻です。
六花の
・無意識に出た行動
・照れと動揺
・言葉にできない本音
・「お気に召すまま」という選択の委ね方
これらが、一連の流れとして描かれています。
文章で読むより、実際に原作を追うことで、
表情や沈黙の意味がよりはっきり伝わります。
六花というヒロインが好きなら、
文化祭編は必ず読んでおきたい内容です。
第68話・第69話が収録されている9巻はこちらから購入できます。
六花の感情が、最も濃く描かれている一冊です。
六花の無意識のキスが描かれる第68話は、
文化祭編のクライマックスです。
そして、その文化祭編は8巻から始まっています。
朗読劇の準備。
有栖との距離感。
六花が自覚しないまま積み重ねていく感情。
そうした流れの先に、
第68話の「3秒無音」があります。
文化祭編の始まりから追うことで、
六花の表情や行動の意味が、よりはっきり見えてきます。
👉 『真夜中ハートチューン』文化祭編がスタートする8巻はこちらから購入できます
六花が好きな人にオススメの作品
井ノ華六花に惹かれた人は、
可愛いヒロインを求めているわけではないと思います。
歌に本気で向き合い、
強く振る舞いながらも、恋には不器用。
六花はそんな矛盾を抱えたヒロインです。
だからこそ、六花が好きな人は、同じように
夢や表現と恋の間で揺れる物語にも惹かれやすい。
ここからは、六花というヒロインが好きな人に向けて、
相性の良い漫画を紹介していきます。
六花を好きになった感情を、そのまま次の一冊へつなげてみてください。
①この音とまれ!
『真夜中ハートチューン』で、
井ノ華六花の「歌に懸ける覚悟」や「不器用な強さ」に心を掴まれた人に、
ぜひ手に取ってほしい作品が 『この音とまれ!』 です。
和楽器・箏を題材にした青春恋愛漫画で、中でもヒロイン・鳳月さとわは、
実力を持ちながら感情表現が苦手なクール系美女。
弱さを見せることを許せず、音楽に人生を懸けているがゆえに孤独を抱えてきた姿は、
過去の挫折を引きずりながらも歌い続けた六花と重なります。
どちらも「表現することが怖い」「でも、音を手放すことはできない」
そんな葛藤を抱えたヒロイン。
仲間と音を重ねることで、少しずつ心を解放していく過程は、
六花が有栖と出会って変わっていった物語が好きな人ほど、確実に刺さります。
音楽×青春×恋愛。
そして、クールで不器用なヒロインの成長が好きなら、相性は抜群です。
②四月は君の嘘
『真夜中ハートチューン』で、
井ノ華六花が歌に懸ける痛みや覚悟に心を掴まれた人にこそ読んでほしい作品が、『四月は君の嘘』です。
クラシック音楽を題材にした本作は、
かつて天才ピアニストと呼ばれながら、ある喪失をきっかけに音が聴こえなくなった少年・有馬公生と、自由奔放にヴァイオリンを奏でる少女・宮園かをりの出会いを描いた物語。
公生が向き合うのは、失った才能そのものではなく、
「音楽を好きだった自分」と「もう一度向き合うことへの恐怖」です。
これは、自作曲を書くことが怖くなり、
“期待されること”から逃げてしまった六花の姿と、驚くほど重なります。
『四月は君の嘘』もまた、ただ演奏が上手くなる話ではありません。
描かれているのは、表現することに傷ついた人間が、もう一度音楽を信じ直すまでの物語です。
そして、その先にあるのは「それでも、自分は音楽を好きでいてよかったのか?」
という問いへの答え。
勝つためでも、称賛されるためでもなく、
自分自身を肯定するために音を鳴らす――
その切実さと痛みは、六花の歌に胸を打たれた読者ほど深く響くはずです。
静かで、残酷で、それでも美しい。
音楽と恋が交差するこの物語は、六花というヒロインを好きになった人にとって、
間違いなく“次に読むべき一冊”です。
③あくまでクジャクの話です。
『真夜中ハートチューン』で、
井ノ華六花の「理屈では割り切れない恋」と「不器用な感情の揺れ」に惹かれた人にこそ読んでほしい作品が、『あくまでクジャクの話です。』です。
本作は、「男らしさがない」という理由で恋人に浮気され、振られてしまった教師・久慈弥九朗と、モデル・インフルエンサー・成績優秀という顔を持ちながら、生物学部部長を務める女子・阿加埜との出会いから始まる、生物学×恋愛コメディ。
阿加埜は、「なぜ結局“男らしさ”がモテに直結するのか?」という身も蓋もない問いに対し、
クジャクの派手な羽や生物の進化戦略を引き合いに出しながら、恋愛の残酷な真実を生物学的に語っていきます。
感情論ではなく、本能と理屈で恋愛を切り分けていく姿は、非常にクールで知的。
しかし、その一方で――彼女自身は久慈弥に密かな想いを抱いており、
自分の恋となると理論どおりに振る舞えなくなってしまう。
この「恋愛の理論はわかっているのに、自分の気持ちだけは制御できない」という矛盾は、
強がりながらも有栖の前では感情が溢れてしまう六花の姿と、驚くほど重なります。
『あくまでクジャクの話です。』が面白いのは、恋愛を甘く描かないところ。
「人はなぜ惹かれるのか」「なぜ報われない恋が生まれるのか」を、
生物としての人間という視点から、容赦なく突きつけてきます。
それでも物語が冷たくならないのは、
阿加埜の言葉の奥に、「それでも人は恋をしてしまう」という理解と優しさがあるから。
理屈を知っても、感情は止められない。
そのどうしようもなさこそが、恋の本質なのだと教えてくれる作品です。
六花のように、強くて賢くて、でも恋には不器用なヒロインが好きなら、
この作品は間違いなく刺さります。
笑えて、学べて、そして少し胸が痛くなる。
ただのラブコメでは終わらない、“恋愛を別の角度から楽しめる一冊”として、ぜひ手に取ってみてください。
まとめ|井ノ華六花というヒロインが、これほど心に残る理由
井ノ華六花は、
物語を前に進めるための“都合のいいヒロイン”ではありません。
歌が好きで、才能もある。
それでも、過去の挫折に縛られ、期待されることを怖がり、恋には驚くほど不器用。
六花は常に、
「歌いたい自分」と「傷つきたくない自分」の間で揺れ続けています。
だからこそ、彼女が一歩踏み出す瞬間は重く、尊い。
有栖との再会は、
六花にとって恋の始まりであると同時に、
“もう一度歌と向き合う覚悟”を問われる出来事でした。
クールに見せた態度の裏で、
照れ、迷い、焦り、思わず感情がこぼれてしまう。
その不完全さこそが、六花というヒロインの最大の魅力です。
六花は、誰かを救うために歌うヒロインであり、
同時に、歌うことで自分自身を救おうとしている少女。
だから読者は、彼女の可愛い一面に笑い、
弱さに胸を締めつけられ、前を向く姿に心を動かされてしまうのです。
『真夜中ハートチューン』という物語が、ただのラブコメで終わらない理由。
その中心には、間違いなく六花がいます。
これから先、彼女がどんな歌を選び、
どんな想いを言葉にしていくのか。
その行く先を見届けたくなる――
それこそが、六花が“忘れられないヒロイン”である証なのかもしれません。










