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【ブルーロック考察】凪と玲王は再び組むのか?二人のエゴと未来予想

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『ブルーロック』は、
「一人で世界一を目指せ」という過酷なエゴを突きつける物語です。

最後に立つのは、たった一人のストライカー。

そんな世界観の中で、凪誠士郎と御影玲王の関係は、はじめからどこか異質でした。

凪誠士郎は、生まれながらにして“才能を持ちすぎた”天才。
どんなボールも一瞬で支配するトラップ、
常識では測れない感覚的なプレー。
その実力は作中でも早い段階から際立っています。

しかし、彼自身は驚くほど無気力で、
向上心も野心も、自分からはほとんど示しません。
サッカーという競技にすら、最初は強い執着を持っていなかった人物です。

一方の御影玲王は、凪とは正反対の存在。

恵まれた環境に生まれ、欲しいものは努力と行動で手に入れてきた人物です。
そんな玲王が、ある日「世界一」という夢に本気で向き合った時、偶然のようで必然的な出会いが訪れます。

それが、凪誠士郎でした。

ブルーロックには、それぞれが“自分のために”世界一を目指す選手たちが集まっています。
しかし凪と玲王だけは、最初からどこか違うスタンスでこの舞台に立っていました。

二人で進むこと。

二人で高みを目指すこと。

その関係は、支え合いであり、依存であり、そして――時に足枷にもなり得るものです。

本記事では、凪誠士郎と御影玲王がどのように出会い、どのような関係を築き、
そしてその関係がどのように変化していくのかを紐解いていきます。

最後までお付き合いいただいたら幸いです。

凪誠士郎と御影玲王の出会い――何も持たない天才と、何でも持つ御曹司が交差した瞬間

二人の関係が始まったのは、特別な舞台でも、劇的な試合でもありません。

それは、あまりにも日常的な学校の階段でした。

ある日玲王は、階段で凪とぶつかり、凪が手元のスマホを落としてしまいますが、トラップにより足元に収めます。

その光景を見た玲王は、直感的に理解します。

これは努力や環境で辿り着ける領域ではない。

本物の才能だ、と。

それまでの人生で、玲王は欲しいものをすべて手に入れてきました。
しかしこの瞬間、初めて「自分には持っていないもの」を目の前に突きつけられます。

金でも、立場でも、努力でも代替できない――生まれながらの天才。

凪誠士郎は、何も知らず、何も求めず、ただそこにいただけでした。

それでも玲王の人生を揺るがすには、十分すぎる存在だったのです。

やがて二人は、玲王の父が“息子にサッカーを諦めさせるため”に差し向けた強豪・青森駄々田高校と対峙することになります。

結果は皮肉にも、凪の超人的なトラップと、玲王の的確なゲームメイクによる一方的な展開。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 1巻より

この試合を視察していた帝襟アンリの目に留まり、二人はブルーロックに招待されます。

この時点で、凪と玲王はまだ何者でもありません。
しかし確かに、この出会いの瞬間から――
二人の人生は、互いを中心に回り始めていたのです。

何も持たない天才と、何でも持つ御曹司。
正反対の二人が交差したこの瞬間こそが、
後にブルーロック最大級のドラマへと発展していく、すべての始まりでした。

ブルーロック参加〜無双状態の凪&玲王|“二人なら世界を獲れる”と信じた黄金期

ブルーロックプロジェクトの説明会当日。

世界一のストライカーをつくるための“個のサバイバル”を宣言する絵心甚八の演説に、参加者たちが震え上がる中で、凪誠士郎だけはまったく興味を示していませんでした。

「W杯の決勝ゴールなんて…俺には簡単に思い描けたし」

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 1巻より

退屈そうに、ただ思ったことを口にする凪。
あまりのやる気のなさに、絵心は即座にこう返します。

「やる気がないなら帰れ」

本来ならここで凪の物語は終わっていたはずでした。しかし、そこで立ち上がったのが御影玲王です。

「2人ならできる!!
 俺が…凪を世界一のストライカーにする。それが俺のエゴだ!!」

ブルーロックが“個のエゴ”を競わせる場所であるにもかかわらず、
玲王は堂々と“二人のエゴ”を掲げたのです。

この瞬間、凪と玲王はブルーロックに足を踏み入れました。

凪がサッカーを続ける理由はただひとつ――
「玲王が願うから」
その関係性が、二人の最初の強さを作り出していました。

ブルーロック参加後、二人はその規格外ぶりを早速見せつけます。
一次選考のチーム戦では、チームX、チームY、チームWを相手に圧勝の連続

玲王の精密なパスと、凪の異次元のトラップが完全に噛み合い、相手チームは何も手が出せないまま試合が終わるほどでした。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 2巻より

この“無双状態”は、凪と玲王の黄金期ともいえる瞬間です。
まだ世界の厳しさも、ブルーロックの残酷さも知らないまま、
二人だけの完結した最強サッカーが成立していた時期でした。

なお、このチームX/Y/Wとの激戦は、 『EPISODE凪 2巻』 で描かれております。

チームZ戦の敗北|最強だった二人の初めての挫折

一次選考を無敗で駆け抜けてきた凪・玲王の最強コンビ。

そこに斬鉄の縦突破という武器が加わったことで、チームVはもはや「完成された最強チーム」と化し、チームZとの最終戦でも試合の主導権を握ります。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 2巻より

序盤は、凪の常軌を逸したトラップと玲王の緻密なゲームメイク、そして斬鉄の直線的な突破力。

この3人の噛み合いは圧倒的で、チームZを押し潰すように試合を支配していきます。

しかし、試合が進むにつれ、チームZの必死さと勝利への狂気にも似た執念が、ピッチに熱量となって渦巻きはじめます。

普段なら興味を示さない凪ですら、その“本気の空気”に心が揺さぶられるほどに。

そしてついに。

凪は人生で初めて、心の底からこう思います。

サッカーって、面白いんだね」

これは凪にとって決定的な変化でした。

これまで凪は、玲王の誘いに従って動くだけの“受け身の天才”でしたが、この瞬間、初めて“自分の意思で動くこと”を覚えます。

相手の熱狂を浴び、自分の中に湧き上がってくる熱に突き動かされるように、凪は能動的に動き出し、自分の判断でゴールを決めてみせます。

この瞬間、凪は初めて“サッカーに心を奪われた”のです。

その一方で――
玲王の内面では、別の変化が始まっていました。

初めて勝利が揺らぎ始めたことで、玲王は焦りを隠せなくなり、「自分で決めなきゃ勝てない」
と、凪へのパスを選ばずに単独で打開しようとする場面が増えていきます。

これまで完璧だと思われていた玲王も、精神的な未熟さを露呈し始めていました。

そして運命のラスト数十秒――
凪の覚醒によって試合の流れを取り戻すかに見えたチームVでしたが、最後に試合を制したのはチームZ。

潔 世一が決めた執念のゴールにより、チームVは逆転負けを喫してしまいます。

凪にとってこの敗北は、人生で初めて味わう “悔しさ” でした。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 3巻より

その感情は、凪の眠っていたエゴを目覚めさせる大きな火種となっていきます。

この一戦は、完璧だった凪と玲王の関係に初めて“影が差した瞬間”であり、
二人の関係が 依存から自立へと動き始めるターニングポイント にもなりました。

二次選考──凪と玲王、依存から自立へと動き出した運命の分岐点

チームZ戦で初めて“悔しさ”と“熱”を知った凪誠士郎。

この敗北をきっかけに、凪はそれまでの無気力な自分とはまるで別人のように、サッカーへ本気で向き合い始めます。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 3巻より

そして二次選考に突入したタイミングで、凪と玲王の関係は大きく動き出すことになります。

二次選考1stステージを突破した凪は、チームZ戦で得た“悔しい”という感情を糧に、これまでにないほど集中し、はっきりと進化を求める渇望を抱いていました。

「もっと強くなりたい」「もっとサッカーを知りたい」──凪が初めて抱いた“自分の意思”

この変化こそが、二人の関係に大きな影響を与えていきます。

1stステージクリア後に始まるのが、三人一組で戦い仲間を奪い合う奪敵決戦。

本来なら凪は玲王と組むつもりでした。
二人で世界を獲る──最初に交わした、世界で最も異質なエゴの約束があったからです。

しかしこの時の凪は、もう「玲王に連れていってもらう天才」ではありませんでした。

敗北で得た熱、悔しさ、そしてあの試合の熱の中心だった潔世一

凪は人生で初めて、「誰とサッカーしたいか」を自分の意思で選びます。

「潔と組みたい。」

彼がこう思った瞬間、凪と玲王の関係は“依存”から“自立”へと静かに舵を切り始めました。

表面的には、玲王は凪の決断に対して「勝手にしろよ」と突き放したように見えました。

しかしEPISODE凪で描かれた玲王の本心は正反対です。

凪が変わっていく姿を誰よりも誇らしく思っていた。
本当は背中を押してやりたかった。
だけど“凪を変えたのが自分ではない”ことが苦しくて仕方なかった。

喜び、誇り、焦り、恐れ──矛盾する感情が玲王の胸の中で渦を巻いていたのです。

凪は潔とチームを組み、奪敵決戦を勝ち抜いていきます。

そして訪れる、避けられない再会。

凪・潔・馬狼 VS 玲王・千切・國神。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 4巻より

玲王は、自分の気持ちを整理できないまま試合を申し込みます。

「凪を取り戻したい」
「凪を変えた潔に勝ちたい」
「自分の方が凪と合っていると証明したい」

それらすべてが混ざった複雑な心境でした。

序盤、玲王は思っていました。「潔より自分が優れている」と。
しかし試合が進むにつれ、その認識は音を立てて崩れていきます。

潔は凪とともにプレーを更新し続け、試合中に進化する。
玲王はその現実に気づき、追い詰められていきました。

そして運命のワンプレー。
潔と凪がギャンブル的な連携でゴールを狙った瞬間、玲王の脳裏に浮かんだのは──

「無理だろ、諦めろよ」

それは、玲王が最も嫌っていた父親と同じ思考でした。
その事実に気づいた瞬間、玲王は深い自己嫌悪に沈んでいきます。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 4巻より

試合は敗北。
玲王は選ばれず、國神と共に“底辺組”へ落ちていきました。

凪にとっては自立への第一歩。
玲王にとっては人生で初めて味わう“自分自身の弱さ”との対峙。

この試合は、二人の関係を大きく変えた決定的な出来事であり、
凪と玲王の物語が“別々に進み始めた瞬間”でもあったのです。

2次選考クリア──凪と玲王、それぞれが“自分の意思で前へ進んだ瞬間”

玲王・國神・千切との激闘に勝利し、再び玲王と別れることになった凪誠士郎。

しかし、この別れこそが二人の関係を“依存から自立”へと動かす本当の転機でした。

凪は潔とともに、二次選考最大の壁──糸師凛とのリベンジマッチに挑みます。

その胸には、チームZ戦で初めて得た“悔しさ”が燃え続けていました。

以前の凪とは違い、プレー中に次々と閃きが生まれ、その場で進化し続ける。

潔との連携も一層深まり、凪は試合の中で成長する天才として本領を発揮していきます。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 4巻より

しかし──勝敗を分けたのは、ほんのわずかな“運の差”

試合には敗れ、潔は糸師凛に引き抜かれ、凪は再び相棒を失うことになります。

それでも凪の熱は消えるどころか、さらに強く燃え上がりました。

「もっと強くなりたい」
「もう一度潔と戦いたい」
「世界の中心で輝きたい」

凪はそのまま奪敵決戦へ突入し、圧倒的な集中状態のままスーパープレーを連発。

自分の意思だけで前に進むようになった凪は、誰よりも眩しい存在へと変化していきます。

一方、玲王はまったく逆の道をたどっていました。

凪と別れた玲王は國神とペアを組み、士道に挑戦。

しかし、その実力差は絶望的でした。

國神は士道の力に打ち砕かれ脱落し、玲王自身も実力では勝負にならず、士道の“気まぐれ”で生かされるという最悪の形で試合を終えます。

財力も環境も才能も手にした御影家の御曹司が、初めて味わう本当のどん底。

しかし、そこで玲王は初めて「一人で戦う」覚悟を決めます。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 32話より

「俺も凪なしで強くなりたい」
「自分の力で世界に挑みたい」

そう決意した玲王は、底辺から這い上がるように奪敵決戦へ挑み、そこでついに自らの本質──
複写(コピー)能力 の片鱗を見せ始めます。

他者の能力を理解し、自らのものとして再現する万能型ストライカーへの進化。

それは、天才への嫉妬でも依存でもなく、自分自身の力で前へ進むための第一歩でした。

凪は潔へのリベンジを胸に猛進し、玲王はどん底から這い上がりながら“自立した才能”を磨き始める。

二人は別々の道を進みながら、確かに同じ方向──“世界一”へ向かって歩き始めていました。

依存から自立へ。
相棒からライバルへ。
そして再び、交わる未来へ。

凪と玲王の物語は、ここからさらに加速していくことになります。

二次選考突破──噛み合わない再会と、それでも繋がっていた凪と玲王

二次選考を突破し、凪と玲王は再び再会します。

しかしこの再会は、かつてのような無敵のコンビ復活を意味するものではありませんでした。

敗北と別離を経た二人の間には、確かな距離が生まれていたのです。

Screenshot
引用元:ブルーロック-EPISODE凪- 35話より

玲王はまだ、「凪の隣に立てる自分」に自信を持てていませんでした。
凪の才能がどれほど凄まじいかを、誰よりも知っているからこそ、
再び並び立つことに無意識の怖さを感じていたのです。

一方の凪もまた、かつてのように玲王にすべてを委ねる存在ではなくなっていました。
互いに前へ進んでいる。

それでも、完全に噛み合うには至らない。
そんな“ぎこちなさ”を抱えたまま、二人はU-20日本代表戦へと向かいます。

U-20日本代表戦のスタメン決めにおいて、凪と玲王は同じチームを組むことになります。
ここで注目すべきなのは、玲王の変化でした。

玲王はこの局面で、凪に頼る選択をしません。

代わりに彼が磨き上げていたのが、自身のコピー能力

他者のプレーを理解し、再現し、自分の武器として落とし込むという、
御影玲王という選手だけが持つ適応の才能です。

凪の隣にいるためではなく、
自分ひとりでも戦い抜くために。

玲王は少しずつ、「凪がいなくても世界一になれる自分」への手応えを掴み始めていました。

そして迎えたU-20日本代表戦本番。

試合の中で、凪と玲王がかつてのような連携プレーを見せる場面は、ほとんどありません。
二人は同じピッチに立ちながら、それぞれ別の役割を果たしていました。

しかし――
二人の絆が消えたわけではありません。

劇場版『EPISODE 凪』で描かれた、U-20日本代表戦前のワンシーン。
玲王が凪に手渡した“手袋”。

その手袋を身につけた凪は、ゴールを決めた瞬間、
観客席と、そして玲王に向けて、静かに手を掲げるパフォーマンスを見せます。

Screenshot
引用元:ブルーロック 117話より

言葉はない。
視線も交わさない。
それでも確かに伝わる、「見てるよ」「一緒にここまで来た」という合図。

試合中、凪はストライカーとしてゴールを決め、チームの勝利に貢献しました。
一方の玲王は、ディフェンスとしてコピー能力を開花させ、
相手の攻撃を食い止める重要な役割を果たします。

連携はなくとも、役割は違っても、
二人はそれぞれの場所で“チームの勝利”に貢献していたのです。

依存は終わった。
だが、関係が切れたわけではない。

凪と玲王はこのU-20日本代表戦を通じて、
同じ夢を見ながら、別々の形で戦える関係へと進化しました。

そしてこの“噛み合わないけれど、確かに繋がっている関係性”こそが、
後の新英雄大戦で二人が迎える運命への、重要な伏線となっていくのです。

新英雄大戦・イングランド編──再び組んだ二人の化学反応

欧州5大リーグ編――新英雄大戦において、
凪誠士郎と御影玲王はそろってイングランドを選択します。

同じチームを選び、再び同じピッチに立つ。
一見すれば「コンビ復活」にも見えるこの選択ですが、
その時点で二人が立っていたスタートラインは、すでに大きく異なっていました。

凪誠士郎──理想を問われ、答えを持たなかった天才

凪を待ち受けていたのは、指導者クリス・プリンスの問いでした。

「理想のサッカーとは何だ?」

しかし凪は、この問いに答えることができません。

これまで凪は、才能とひらめきだけでサッカーをしてきた存在。
何を目指し、どんな選手になりたいのかを“言葉にする必要”がなかったのです。

さらにクリスは、凪に対して

「お前には創造力が0」
「パサーがいなければ無価値だ」と発言します。

凪はここで初めて、自分のサッカーそのものを否定された感覚を味わいます。

そして「0から創り直すトラップから始めるべきでは」という助言を受け、
自分を再構築しようと試みますが、その変化を実戦で発揮することはできませんでした。

迎えたドイツ戦。
凪のプレーは噛み合わず、結果も出ない。

潔や玲王が次々と進化していく中で、凪だけが取り残されていく感覚に苛まれていきます。

かつて感じていた「サッカーって面白い」という熱も見失い、凪は迷路の中を彷徨うような状態に陥っていました。

御影玲王──「一人で世界一になる」という理想に辿り着いた男

一方その頃、玲王はまったく別の答えを出していました。

クリスに理想を問われた玲王は、はっきりとこう答えます。

「俺一人で、世界一になれる力が欲しいです」

引用元:ブルーロック 175話より

凪の隣に立つためではない。
凪に頼らずとも戦える存在になるために。
玲王は、自分自身の理想を明確に定義していました。

その理想のプレースタイルこそが、
糸師凛と糸師冴を融合させた存在になること

二人のプレイスタイルを組み合わせた“完成形”を目指し、
玲王は肉体強化とプレースタイルの最適化に励みます。

そしてドイツ戦序盤、
その理想は確かな形となって現れました。

凪に依存せず、潔にも頼らず、
一人の選手として冷静に試合を支配する玲王。
この時の彼は、間違いなく自立したプレイヤーでした。

再び組んだ瞬間──凪の依頼と、玲王の選択

しかし、その均衡を崩したのは凪でした。

迷いの中にいた凪は、
自分から玲王に声をかけます。

「潔を倒したい。協力してほしい」

かつては一方的に導かれていた凪が、
今度は自分から助けを求めた瞬間。

そして玲王は、ここで選択を迫られます。

“一人で世界一になる”という理想を貫くか、それとも――凪と共に進むか。

玲王は後者を選びました。

完成させかけていた理想のプレースタイルを捨て、再び凪と並び、世界一を目指す道へ戻ったのです。

こうして二人は再び共闘し、かつての連携を取り戻して潔に挑みます。

そして凪は「五連式回天空砲蹴撃」という超人的なゴールで潔を打ち破り、
再びピッチの中心へと返り咲きました。

Screenshot
引用元:ブルーロック 22巻より

それは、凪が“熱の中心”に戻った証であり、才能が再び爆発した瞬間でした。

勝利の代償──満足が奪った“次へ進む理由”

しかし、この勝利は凪を前進させるだけのものではありませんでした。

迷いの中でもがき続け、本来ならまだ届くはずのなかった相手・潔を、玲王の力を借りて越えてしまった勝利。

それは凪にとって、あまりにも大きく、そして早すぎる成功だったのです。

必死に探し続けていた“自分を変える答え”。

その過程で生まれた苦しみや葛藤は、潔を倒した瞬間、ひとまず報われてしまいました。

そして同時に、凪の中に燃え始めていたはずの“渇き”も、そこで一度、満たされてしまったのです。

凪は再び前を向いて走り続ける必要を、無意識のうちに失っていきます。

潔に勝った――それだけで十分だった。

それ以上、何かを掴みに行く理由を、見失ってしまったのです。

やがて凪のプレーは、少しずつ変質していきます。

「勝つために必死に動くサッカー」ではなく、
玲王と同じピッチに立っているだけで満たされるサッカーに変わっていきます。

一方で玲王もまた、もう一度凪と世界一を目指せる環境に酔っており再び凪に依存します。

糸師兄弟を融合させて掴みかけていた「一人で戦う自立」は、
凪の隣に戻った瞬間、再び足を止めてしまいました。

イングランド編で描かれたのは、
凪の再覚醒ではなく、満足によって訪れた停滞

そして玲王の自立が、もう一度凪の存在によって曖昧になってしまう瞬間です。

二人は確かに勝ちました。
しかしその勝利は、
凪から“次へ進むための理由”を、そっと奪っていったのです。

凪と玲王の現在|脱落から始まった、それぞれの“再生”

新英雄大戦後半、凪誠士郎は再び無気力さに沈んでいきます。

かつて感じていたサッカーの熱は薄れ、プレーは精彩を欠き、評価も次第に下がっていきました。

その現実から目を逸らすように、凪は玲王と共にピッチに立ち続けます。

しかし、以前のように自然に噛み合っていた二人の関係は、もはや機能していませんでした。

今の凪では世界一になれない

それを誰よりも敏感に感じ取ったのが、馬狼照英でした。

「全然面倒くさくねーぞ?」
「いっぺん死んでこい、腑抜け」

容赦のない叱責は、凪の胸に深く突き刺さります。

その言葉によって、凪はようやく理解します。
――このままでは終わる。
――才能だけでは、もう前に進めない。

最終戦を前に、凪は「もう一度変わろう」と決意します。

そして同時に悟ったのが、玲王と一緒では越えられない壁があるという現実でした。

凪は初めて、“一人で戦う覚悟”を固めます。

しかし、その覚悟はまだ未完成でした。
才能に頼ったプレーは健在でも、進化を続けるブルーロックの仲間たちには通用しない。
試合終盤、ゴール前で訪れた決定機。

凪は恐怖に飲まれ、自分の意思でシュートを打つことができませんでした。

選んだのは、玲王へのパス。

そのボールは奪われ、試合は敗北します。

Screenshot
引用元:ブルーロック 298話より

こうして、圧倒的な才能を誇った天才・凪誠士郎は、
ブルーロックから脱落するという衝撃的な結末を迎えました。

脱落後、凪は再び退屈な日常へと戻ります。
しかし、その内側は、かつてとはまったく違っていました。

「ブルーロックに戻りたい。でも、戻れない」

世界の中心に触れてしまったからこそ生まれた喪失感。
人生で初めて味わった挫折が、凪の胸に重く残り続けていたのです。

そんな凪の前に現れたのが、不乱蔦会長でした。
「日本代表にしてやる。その代わりブルーロックを潰す手伝いをしろ」
それは、サッカー人生を委ねる代わりに自由を失う“奴隷契約”とも言える提案でした。

凪は一度、この誘いを拒絶します。
ブルーロックを裏切ることは、自分が掴みかけた“本物”を否定することだと分かっていたからです。

しかし数日後、凡人として必死に足掻くイガグリとの再会が、凪の心を揺さぶります。
才能がなくても、それでも前へ進もうとする姿。
その必死さが、凪の中に残っていた小さな火種に、再び火をつけました。

Screenshot
引用元:ブルーロック 310話より

そして迎えたU-20W杯開幕戦当日。
凪は再び不乱蔦会長の前に立ち、こう告げます。

「なりたいんだけど。世界一に」

それは、凪が初めて自分のエゴを言葉にした瞬間でした。
凪が求めているのは、勝利そのものではない。
“自分が世界の中心だと実感できる、神様みたいな快感”。

彼はようやく、自分が何を欲しているのかと真正面から向き合い始めたのです。

一方、御影玲王もまた、別の苦しみを抱えていました。
凪の才能を枯らせてしまったのは自分ではないか。
凪の分まで、自分が一人で世界一を目指さなければならないのではないか。

その思いに囚われた玲王は、
“凪を失った責任”という新しい呪縛を背負うことになります。

U-20W杯開幕戦・ナイジェリア戦でゴールを決めた玲王の姿は、一見すると覚醒そのものでした。

しかしそこにあったのは、純粋な喜びや高揚ではありません。

感じられるのは、使命感に突き動かされるような必死さ。
「勝たなければならない」「証明しなければならない」という重さを背負ったプレーでした。

Screenshot
引用元:ブルーロック 316話より

凪に依存しないために。
そして凪の分まで背負うために。
玲王は“自分一人で勝つ選手”になろうとしています。

けれどその道は、かつて凪と並び、同じ夢を語っていた頃とはまったく違う、孤独な道でもあります。

凪は今、初めて自分自身のエゴと向き合い始め、
玲王は今、凪を失った世界で一人で立とうとしている。

二人で世界を目指した関係は、すでに過去のものかもしれません。
それでも――
この二人が再び交わる時、そこにはかつてとはまったく違う形の関係性が生まれるはずです。

凪誠士郎と御影玲王。
二人の物語は、まだ終わっていません。
むしろここからが、本当の意味での「再生」の始まりなのです。

また、新英雄大戦で凪誠士郎はどのチームを選ぶべきだったのかランキング形式で考察しております。良かったらご覧ください。

【考察】凪と玲王は、もう一度「二人で世界一」を選ぶのか

脱落後、凪誠士郎は「神さまみたいなあの快感」をもう一度掴むため、
世界一になることを決意し、不乱蔦が企画するSIDE-Bへと身を投じました。

SIDE-Bについて、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。


一方の御影玲王もまた、「凪の分まで自分が世界一になる」という覚悟を背負い、
U-20日本代表として戦い続けています。

一見すると、二人は完全に別々の道を歩み始めたように見えます。
しかし物語構造と二人の内面を踏まえると、この先、高確率で凪と玲王は再び“コンビになる決断”を下すと考えられます。

その理由は、凪が自覚し始めたエゴが、まだ“核心”に辿り着いていない可能性が高いからです。

凪は脱落後、自分のエゴを「神さまみたいなあの快感」だと定義しました。

Screenshot
引用元:ブルーロック 312話より

確かにそれは嘘ではありません。凪が最高に輝く瞬間は、世界の中心に立ったと錯覚できるスーパープレーの只中にあります。

ですが――
それだけが、凪誠士郎の本当のエゴなのかと言われると、まだ違和感が残ります。

振り返ってみると、凪が本気で“熱くなっていた時”には、必ず共通点がありました。

それは、「物語として超えなければならない明確な障害があった時」です。

潔世一という存在は、まさにそれでした。

凪と玲王が“二人で世界一を目指す”と誓ってから、初めて越えられなかった壁。

物語上、絶対に倒さなければならない存在。

だからこそ凪は、二次選考を通じて「一人で強くなる」修行パートに突入し、あれほどまでに熱を燃やせたのです。

そしてドイツ戦。
凪と玲王は再び並び、二人で潔に挑み、ついに勝利を掴みます。

しかしその瞬間、「潔に勝つ」という章は終わってしまった。

世界一へ向かう物語の中で、次にどんな障害を越えればいいのか、凪は思い描けなくなってしまったのです。

その結果、再び熱を失っていった――これは非常に物語的な流れでした。

対して、脱落後の凪はどうでしょうか。

SIDE-Bに挑む今の凪の胸中には、
「這い上がって、もう一度あの舞台に立つ」
「再び玲王と再会する」
という“物語の続き”がはっきりと描かれています。

だからこそ凪は、再び熱を取り戻した。

世界一を決めるためというよりも、物語の主人公として戻るために。

ここで見えてくるのが、凪誠士郎の“真相のエゴ”です。

それは単なる快感ではなく、
「物語の中で、越えなければならない障害に挑み、主人公としてそれを超えること」
その過程そのものに快感を見出すエゴなのではないでしょうか。

そしてその物語に、必ず隣にいる存在。
それが御影玲王です。

それが、御影玲王です。

実際、34巻のイングランド対スペイン戦において、玲王はこう語っています。
「お前と世界一になれるなら、御影玲王は何にだって変われる」

Screenshot
引用元:ブルーロック 296話より

この台詞は、玲王が今もなお
「凪と共に世界一を目指す未来」
を心のどこかで手放していないことを、強く示唆しています。

さらに35巻では、絵心から玲王へ一通の手紙が届きます。
そこに記されていた言葉は、
お前のNo.1の道は、まだ残ってる

この“No.1”とは何か。
それはEPISODE凪2話で、玲王自身が絵心に言い放った
「じゃあ凪を世界一のストライカーにする!」
という宣言を指している可能性が、極めて高いと考えられます。

また、ドイツ戦で玲王が一度だけ発現させた
超越視界(メタ・ビジョン)

あの能力は、それ以降ほとんど描写されていません。
これは単なる演出上の都合ではなく、
「凪と世界一を目指していた時にのみ、玲王が到達できた境地」
である可能性を示しているようにも見えます。

つまり――
玲王の才能もまた、凪と同じ物語を見ている時にこそ、最大化される。

凪は今、初めて自分のエゴと真正面から向き合い始め、
玲王は今、凪を失った世界で一人で立とうとしています。

二人で世界を目指した関係は、確かに一度終わりました。

しかしそれは、最終章ではありません。

それぞれが主人公として成長し、
自分の足で立てる存在になったその先で、
もう一度「それでも隣を選ぶ」と決めた時――

凪と玲王の物語は、本当の意味で“再開”するはずです。

まとめ|凪誠士郎と御影玲王の物語は、ここから“本当の再生”が始まる

凪と玲王は、ブルーロックという作品の中でも、極めて特異な関係性を描かれてきました。

個で世界一を目指すエゴイストたちの物語において、彼らは最初から「二人で世界一を目指す」という、明確に異質なスタートラインに立っていた存在です。

しかしその関係は、依存という形で一度壊れ、自立という名の別離を経て、
そして今、それぞれが“自分自身のエゴ”と向き合う段階へと進んでいます。

凪は、脱落という挫折を通して初めて
「自分は何を求めてサッカーをしているのか」
という問いに真正面から向き合い始めました。

玲王は、凪を失った世界で
「自分一人で世界一になる」という重すぎる物語を背負いながら、
それでも前に進もうとしています。

二人はもう、かつてのように無邪気に手を取り合う関係ではありません。
しかし同時に、完全に断ち切れる関係でもない。

むしろ今描かれているのは、
一度すべてを失った者同士が、それぞれ主人公として立ち上がり、再び交わるための物語です。

もしこの先、凪と玲王が再び並び立つ瞬間が描かれるとしたら、
それは「依存の復活」ではなく、
自立を終えた二人が、それでも隣を選ぶという決断になるはずです。

凪が見つける“真相のエゴ”。
玲王が辿り着く“自分自身のNo.1の道”。

その二つが交差したとき、
凪と玲王の物語は、これまでとはまったく違う形で再開するでしょう。

二人で世界を目指した物語は、確かに一度終わりました。
けれどそれは、終幕ではありません。

これは、再生のためのプロローグだった。

凪誠士郎と御影玲王――
二人の物語が、本当の意味で動き出すのは、これからです。

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